種保存庫建設についてーさらに詳しく知りたい方へー

AZTRECによる在来種メイズ自給への取組みとDADAによる支援

AZTRECでは、農家の人々が種を買い続けるのではなく、自分たちで育て守っていくことができるように、種を自家採取できる在来種の普及・促進に向けた活動を行っています。メイズをはじめとする穀物の在来種を農家に配給し、その種から得た収穫の一部を戻してもらい、それをまた他の農家に配っていくことで、在来種を扱う農家を増やしていこうという試みです。DADAもこのAZTRECの趣旨に賛同し、2002年から支援してきました。

種保存庫の見積もりについて

今年5月の時点でAZTRECから届いた見積もり額は861米ドルでした。その内訳は、セメント(壁)、屋根葺き用の鉄線やシート、焼きレンガ、屋根用木材、ドアおよびドア枠、レンガ積みや屋根葺き等職人への謝金、外壁用ペンキなどです。しかし、公式発表では360%、物によっては700%を超える現地のインフレ率では、昨日だした見積もりが今日は当てにならないという現状です。そこで、DADAでは余裕を見て1000米ドル、日本円では(両替の手数料などを含み)、12万円を目標額とすることと致しました。

建設時期について

通常ジンバブウェの雨季は11月から3月4月まで続きますが、1月は中休みのように殆ど雨が降りません。そこで種保存庫はその時期に建設し、今年度の収穫(だいたい2月下旬〜5月)で得た種の保存ができるようにしたいと考えています。(但し異常気象で1月も雨が降り続いた場合は乾季まで建設を見送る予定です)。

AZTRECの意向

 AZTRECでは、将来的には生産した種を市場で販売することを目指しています。その為には国の機関に承認を受けることが必要で、その際種の保存庫の形状や状態について国立種子銀行の指導が入る可能性もあります。その場合、上記の見積もりが変更になることが予測されますが、詳細はAZTRECと話しながら詰めていきたいと考えています。

二期目以降の予定

今回の建設予定地は、この12月にはAZTRECが事務所を移転することもあり、今後、活動の拠点となるシャシェです。そこには既に4年前からトレーニングセンターもあり、周辺の住民が訪問する機会も多いため、種を保存するという機能だけでなく、人々が実際に種保存庫を見て、その重要性を知ってもらうことができるといった効果も期待できます。DADAでは、今回の種保存庫建設支援を、第一期と位置づけています。今回のデザイン(下図参照)はAZTRECのスタッフが周辺の村を訪問しヒントを得て作成したものですが、この形がこの地域に適していると判断できた場合、AZTRECでは他の活動地域(ジムト、ムパタ等、裏頁地図参照)への普及も検討しています。住民と話し合い、村単位での種保存庫建設を住民が必要とし、具体的に種の生産や運営などに展望があるならば、DADAもまたこれらの地域へも支援を広げていきたいと考えています

【種保存庫 予定設計図】





*デザインは、ねずみ返しのついた高床式の穀物庫。入り口はひとつで内部は4つに仕切られており、壁の上部に穴があいていてそこから穀物の出し入れを行う、というもの。  保存する穀物はメイズの他、ミレット(きび)、ソルガム(もろこし)、豆類等の予定。