Zimbabwe Eclipse 2001の全て

Date :  21 June 2001
Time :  13:50 - 15:15 (total eclipse) - 16:30
Place:  Mavuradonha,
           Mukumbura District,
           Mashonaland Central Province
           ZIMBABWE
Photo: Kazuhito Suga
15:06:24 15:15:40 15:18:08 15:25:51 15:42:54 15:50:16 15:59:05

 大変親切なガイドのお陰で、ハラレから北北東に約230km、モザンビーク国境まであと10数kmというMavuradonhaまで出かけ、皆既日蝕が見られるゾーンの中心線上で約3分間の実に美しい天文ショーを楽しむことができた。

 2時前に左下から欠け始めた太陽は、3時頃になるとその光をかなり弱め、だんだん薄暗く肌寒い夕方のようになっていった。3時15分の皆既日蝕の瞬間、あたりは一気に日没時のように暗くなり、地平線の山際は夕焼けのように赤く染まった。そしてはっきりと丸いコロナの円を眺めることができた。

 集まってきた村の人たちにも眼鏡を貸し、交互に太陽を眺めていたが、皆既日蝕の3分間はあっという間に過ぎ、再び左下から太陽が顔を出してきた。本当に短い、しかし不思議としか言いようのない美しいショーだった。

 ちなみに、当然のことながら皆既日蝕は、村の人々にとっても非常に不思議な体験であったらしい。皆既日蝕の直前になると私達の周囲に村の人々が集まってきたが、そのほとんどは大人の男性であった。彼等は、皆既日蝕の間じゅう戸外にいて、私達と一緒に交代交代で眼鏡越しに太陽を眺めていた。そして皆既日蝕が終わると、再び仕事に戻っていった。

 ところが、皆既日蝕が終わって再び周囲が明るくなると、今度は村の女性や子供達が戸外に出てきて私達の眼鏡を借り、まだ十分欠けている太陽を眺めて楽しんでいた。

 ジンバブウェでも伝統的に日蝕は不吉なこととされていて、呪術師や伝統医療師といった伝統的権威の間では、今回の日蝕も不治の病や著名人の死、自然災害といった不幸の前触れだとされていた。こうした信仰が皆既日蝕の間戸外に出ないという行動につながっているのであろう。

 いずれにしても私達にとっては、実に壮大な天文ショーだった。来年12月4日は、南ア国境のベイトブリッジ付近で再び皆既日蝕が見られる予定であり、今からその日が大変楽しみだ。
                                      (壽賀記)

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